「家に気密性を求めるよりも、木の温もりや風の心地よさを感じながら家族とともに暮らしたかったんです」と、ご主人。そう語りながら開けた窓からは、夕焼けとともに穏やかな秋風が入ってきました。
　以前は築35年の一軒家に住んでいたＹさんご家族。「家を建てるなら明るく、温かに」と考えていたご夫妻が想いを託したのは、ｓｏｒａｉのフルオーダー住宅を手掛ける建築家集団「ｒｅｎｇｏ ＤＭＳ」。コの字型、使い勝手のいい動線、手持ちの家具を生かす空間づくりなど、ご夫妻の出した要望は機能的なデザインのなかに織り込まれ、地元大工の確かな技と妥協のない仕事で細部まで美しい家となって完成しました。
　「とくに気に入っているのは南側に作ったお風呂。足を伸ばして一人で入っているときがしあわせです」と、にこやかに話すご主人。内と外とを優美につなぐウッドデッキや木製のサッシ、ゆったりとしたあらわしの天井や太い梁の木肌も「ずっと眺めていたくなるんですよ」と、目を細めます。
　耳を澄ませば自然の息づかいが聞こえてきそうな住まいの心地よさは奥さまも実感しているそうで、「居心地のいい家ができたら、暮らしを大切にするようになりました」と、にっこり。動線がコンパクトになり家事が便利になったことも奥さまにはうれしい変化でした。春には３人目となるお腹の赤ちゃんも誕生し、その実用性をさらに感じることでしょう。しあわせいっぱいの家族の生活を包み込む大きな器は、これからの夢であふれていました。